本レクチャーは、2021421日に i.school エグゼクティブディレクターの堀井秀之が行った本年最初のinnotalk の録画(2時間)です。i.schoolは、「小人数」かつ「カジュアル」な学びの機会として、年に6回程度開催しております。イノベーションをキーワードとして、日本または世界の最先端で活躍する実務家や研究者を招き、プレゼンテーションをお願いする他、オーディエンスを交えたディスカッションも行っております。

概要:
新市場・新顧客を対象とした破壊的イノベーションと既存市場・既存顧客を対象とした持続的イノベーションにはどのような違いがあるのでしょうか。アイディアの創出の方法も、仮説検証の方法も違うはずです。ハーバードビジネススクールの故クレイトン・クリステンセン教授は「イノベーションのジレンマ」のなかで、「⼤企業が既存顧客のニーズに対応するのに⻑けており、まだ市場規模の⼩さい段階で新顧客のニーズを捉えることができないことが、大企業が破壊的イノベーションを起こすことができない理由である」と説明しています。
破壊的イノベーションと持続的イノベーションとでは、あるべき仮説検証の方法も異なるはずです。持続的イノベーションに対する仮説検証の方法を押し付けることで破壊的イノベーションを殺してきたのかもしれません。

i.school
では2009年にスタートして以来、ワークショッププロセスの設計方法、ワークショップ後半のPDCAサイクルの回し方など、毎年目標を設定してアイディア創出の方法論を構築してきました。2021年度の目標は、仮説検証の方法論を構築することです。未来の新市場・新顧客を対象とした新規事業のアイディアに対して、いきなり仮説検証をすることは不可能です。まず、プロトタイプ事業、導入事業、本格事業を設定し、プロトタイプ事業を設計することが第一歩となります。

innotalkでは、これまでの i.schoolでの知見を総括するとともに、破壊的イノベーションに対する仮説検証の考え方を論じております。